犬・猫の膀胱結石

膀胱結石とは?

膀胱結石とは、膀胱の中にミネラル成分が固まり、石のように硬い「結石」ができてしまう病気です。
犬猫ともにみられ、結石の種類によって治療方法が大きく異なるため、早期発見・早期治療が大切です。

主な症状

膀胱結石が生じると、次のような症状がみられることがあります。

  • 頻繁にトイレに行く
  • おしっこが少ししか出ない
  • 血尿がみられる
  • 排尿時に痛がる・鳴く
  • 尿が出なくなる(特にオスで注意!)

尿が全く出ない状態は緊急事態です。
命に関わるため、直ちに受診してください。

膀胱結石の原因

膀胱結石の形成には、以下のような要因が関係します。

  • 食事内容(ミネラルバランス・尿pH)
  • 水分摂取量の不足
  • 尿路感染症
  • 体質・遺伝
  • 肥満や運動不足

結石には「ストルバイト」「シュウ酸カルシウム」「尿酸塩」「シスチン」などの種類があり、原因・治療が異なります。

診断方法

膀胱結石は以下の検査で診断します。

●尿検査/顕微鏡による観察

尿pH、細菌、結晶の有無を確認します。
結晶の種類が結石のタイプを推測する手がかりになります。

顕微鏡画像 尿検査

●レントゲン検査

多くの結石はレントゲンで確認できます。

膀胱結石 レントゲン

●超音波検査(エコー)

レントゲンでは写らない結石もエコーで確認でき、位置や大きさがわかります。

膀胱結石 エコー

治療方法

① 食事療法

一部の結石は専用の療法食によって溶解・予防が期待できます。
(療法食は病院からお買い求めいただけます)

② 水分摂取の強化

水を多く飲むことで尿量が増え、結石や結晶の再発予防につながります。

③ 抗生剤による治療

尿路感染が関与している場合、細菌治療が必要です。

④ 外科手術(膀胱切開による摘出)

以下の場合は手術が必要になります。

  • 結石が大きい
  • 食事で溶けない種類(シュウ酸Caなど)
  • 尿道に詰まる危険性が高い
  • 膀胱炎症状(血尿・頻尿)を繰り返

手術により、確実に結石を取り除くことができます。

<手術写真(膀胱)>

手術写真(膀胱)

※クリックしたらモザイクが外れます

<摘出した結石>

摘出した結石

※クリックしたらモザイクが外れます

再発防止がとても重要です

膀胱結石は、再発しやすい病気です。
再発予防のため、定期的な尿検査・食事管理・水分摂取がとても大切です。
当院では、結石の種類・体質・生活環境に合わせて、最適な食事・検査プランをご提案しています。

気になる症状があればご相談ください

「トイレの回数が増えた」「血尿が出た」「元気がない」などの症状は、膀胱結石のサインかもしれません。
気になることがあれば、早めに当院までご相談ください。

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